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“日新”月歩~シャーリング屋の熱い思い~

2025年6月30日

日本生産性本部が「労働生産性の国際比較2024」を発表しました。それによれば、日本は38か国中29位だそうです。このニュースを受けて「日本企業はムダが多い」「もっと業務の効率化をしなければ」といった声が聞かれました。

ちなみにこの発表の「労働生産性」の定義は、①1人あたりの労働生産性=GDP/就業者数、②時間あたりの労働生産性=GDP/総労働時間 の2つです。企業で考えた場合、GDPは≒粗利、と置き換えできるかと思います。

 

なぜ日本が29位と低い順位か分かりますか?数字はきちんと理解しなければいけません。またこの手のランキングには注意が必要です。①の定義で考えると短時間しか勤務しない従業員がいれば数字は悪くなります。パート勤務や子育てママの短時間勤務者が増えると、生産性は悪くなる計算になります。また②の場合、サービス残業が増えれば数字は悪くなります。価格転嫁できないケース、例えば売り値を上げられない、サービス的にやらされる仕事が増える場合、生産性は悪くなります。

 

逆に「テキトーに仕事をする」と生産性は上がります。受注が少ないとき仕事は休み、対価を頂けない客先の要望は無視する、製品検査には極力時間をかけない、など、どれも生産性を上げる方法になります。

 

日本以外の場合、サービス残業がない、価格転嫁が受け入れられる、過剰な検査は行わない、など労働生産性の指標がアップする要因が慣習としてあるのかと思われます。ちなみに労働生産性の常連上位国は、スイス、ルクセンブルク、アイルランドなど欧州国が占めています。税制優遇で国外企業を誘致、金融やIT関連企業割合が高い、対等なサービスに対する対価が得られる、国の金融政策が適正に機能している、ブルシットジョブが少ない事、などが理由として挙げられます。

 

日新は日本の中でも労働生産性が高い企業を目指したいものです。ブルシットジョブ、やること、やらせること、無しにしたいものですね。

茨城工場

取締役工場長